墓じまいとは?8つの手順と費用、遺骨の移し先までやさしく解説

「実家のお墓が遠くて、もう何年もお参りできていない。墓じまいをしたいけれど、何から手をつければいいのだろう」。費用はいくらかかるのか、親族やお寺にどう切り出せばよいのか、心配は尽きないものです。先祖に申し訳ないという気持ちが、決断を重くすることもあるでしょう。

そこで本記事では、墓じまいの8つの手順と、それぞれで誰に何を頼み、どんな書類が要るのかを順に示します。費用の目安と内訳、補助金の対象も調査の数字とあわせて紹介するので、自分の家の場合の金額を見積もる手がかりになるはずです。

あわせて、遺骨の移し先の比べ方や、親族・お寺と揉めないための備えも同じ流れで解説します。

目次

墓じまいとは|お墓を片付けて遺骨を移すこと

墓じまいとは、今のお墓から遺骨を取り出して別の供養先へ移し、墓石を撤去して区画を管理者に返すまでの一連の作業です。手続きの中心は、法律で定められた「改葬」の許可と、墓地の規則に沿って行う「区画の返還」の2つです。

墓石を撤去して区画を返し遺骨を移す

墓じまいでやることは、遺骨の移動、墓石の撤去、区画の返還の3つに分けられます。お墓の土地は買ったものではなく、区画を使う権利を得ている形なので、最後は更地に戻して管理者へ返す流れです。

やること 内容 主な相手
遺骨の移動 許可を得て新しい供養先へ移す 市区町村・新しい納骨先
閉眼供養 撤去前の読経 お寺・僧侶
墓石の撤去 解体して更地に戻す 石材店
区画の返還 使用していた区画を返す 霊園・お寺

閉眼供養を行うかどうかは、宗教や宗派によって異なります。市川市の霊園のように、返還のときは使用者の負担で更地に戻すと定めている墓地もあります。

遺骨の行き先が決まらないうちは、ほかの作業を始められません。墓じまいは「お墓をなくす作業」というより「遺骨の新しい居場所を決める作業」と考えると、進める順番が見えてきます。

改葬許可と区画の返還という2つの手続き

「墓じまい」は法律の言葉ではありません。墓地、埋葬等に関する法律、いわゆる墓埋法では、お墓や納骨堂に納めた遺骨を別のお墓や納骨堂へ移すことを「改葬」と呼びます。改葬には、今お墓がある市区町村長の許可が必要です。

総務省東北管区行政評価局が2026年1月に公表した資料も、墓じまいに伴って遺骨を他のお墓や納骨堂へ移すときは改葬許可が必要だと整理しています。改葬許可を得てから墓石を撤去し、区画を返すところまでが墓じまいの範囲です。区画の返し方は、公営霊園なら条例、お寺や民間霊園なら使用規則や契約で決まっています。

役所の窓口では「墓じまい」より「改葬許可の申請」と伝えるほうが、用件がすぐに伝わります。お墓の引っ越し全般の手続きは改葬とは?費用相場と手続きの流れ・墓じまいとの違いを解説で詳しく紹介しています。

決めるのはお墓を受け継いだ人

墓じまいを決めて申し込むのは、お墓を受け継いだ人です。民法第897条は、故人の指定があればその人が、指定がなければ慣習に従って先祖の祭祀を主宰する人がお墓を受け継ぐと定めています。この人を祭祀承継者と呼びます。

改葬許可を申請する人と墓地の名義人が違う場合は、名義人の承諾書が必要です。まずは墓地の使用許可証を見るか管理者に問い合わせて、今の名義人が誰かを確かめておきましょう。

ただし、法律上の権利があっても、親族やお寺の了解なしに進めるのは避けたいところです。公益社団法人全日本墓園協会の横田睦専務理事は「国民生活」2025年12月号で、法律論だけで改葬を進める危うさを指摘しています。寺院との関係を無視すると、檀信徒として残る親族が難しい立場に置かれることがあるという内容です。

墓じまいを迷うときに知っておきたい判断材料

墓じまいを考えるきっかけは「お墓が遠い」「継ぐ人がいない」の2つが中心で、2019年の調査では実施した人の多くが満足と答えています。一方、先祖へのうしろめたさから踏みとどまる人もいるため、事実を並べて家族で考えることが判断の近道です。

墓じまいを考える理由は遠方と跡継ぎ不在

墓じまいを考える理由で多いのは、お墓が遠いことと継ぐ人がいないことです。鎌倉新書が2026年1月に「いいお墓」の利用者733人へ行ったインターネット調査では、検討理由は「お墓が遠方にある」52.0%、「継承者がいない」44.1%でした。

お墓の引っ越しそのものも増えています。厚生労働省の衛生行政報告例によると、改葬の件数は2024年度に17万6,140件で、2026年9月時点の公表値では1997年度以降で最多です。墓じまいを伴わない移転も含む数ですが、2014年度の約2.1倍になりました。

「遠くて通えない」「継ぐ人がいない」のどちらかに当てはまるなら、急がなくても家族で話し始めておく価値があります。体力や判断力があるうちのほうが、移し先をじっくり比べられるからです。

管理する人がいないお墓がたどる流れ

管理料が途絶え、連絡のつく親族もいなくなったお墓は、管理者の手で遺骨が別の場所へ移される場合があります。総務省行政評価局が2023年9月に公表した全国の市町村への書面調査では、公営墓地や納骨堂を持つ765市町村の58.2%で、こうした無縁墳墓が発生していました。

墓埋法の施行規則では、縁故者のいないお墓は官報と立札で1年間公告し、申し出がなければ遺骨を移せると定めています。都立霊園の場合は、年間管理料を5年以上滞納すると使用許可の取り消しの対象です。その後は更地にされ、遺骨は無縁塚へ移されることになります。

すぐに墓じまいを決められなくても、管理料を払い続け、管理者に今の連絡先を伝えておけば、お墓を守りながら考える時間を持てるでしょう。無縁墓の詳しい仕組みは無縁墓とは?放置するとどうなる?原因と対策をやさしく解説で紹介しています。

経験者の満足の声と心残りの声

墓じまいを実施した人の多くは満足しています。鎌倉新書が運営するライフドットが2019年12月に20〜70代の764人へ行ったインターネット調査では、実施した人の86.8%が満足と答えました。理由には「お墓参りが出来なくて感じていた罪悪感がなくなった」などが挙がっています。

一方で、気持ちの面で迷う人もいます。先の鎌倉新書2026年調査で、検討したもののやめた人に理由を聞くと、「先祖にうしろめたい気持ちになった」が11.1%でした。

浄土真宗の順照寺の善本秀樹住職は、お墓の維持が負担で心が沈むなら本末転倒で、形が変わっても故人を偲ぶ心は受け継がれるとブログで述べています。うしろめたさを感じるときは、こうした僧侶の言葉や家族の思いを確かめながら、納得できる形を探すとよいでしょう。

墓じまいの流れ|8つの手順と必要書類

墓じまいは、親族への相談から新しい納骨先への納骨まで、8つの手順で進みます。役所の手続きより前に、親族の合意と遺骨の移し先を固めることが全体の土台です。

全体は8つの手順で進む

墓じまいの手順は、横浜市や武蔵野市が公式ページで示す改葬の流れに、管理者への連絡と石材店の見積もりを加えた8段階です。誰に何を頼むかを表にまとめました。

手順 やること 主な相手
1. 親族への相談 方針と費用の分担を話し合う 親族
2. 移し先の決定 契約し受入証明書をもらう 新しい納骨先
3. 管理者への連絡 墓じまいの意向を伝える 今の霊園・お寺
4. 石材店の見積もり 撤去工事の費用を確かめる 石材店
5. 改葬許可の申請 書類をそろえ許可証を受け取る 今のお墓がある市区町村
6. 閉眼供養と取り出し 読経のあと遺骨を取り出す 僧侶・石材店
7. 撤去と返還 更地に戻して区画を返す 石材店・管理者
8. 納骨 許可証を出して遺骨を納める 新しい納骨先

手順3と4の順番は前後してもかまいません。墓地によっては工事を頼める石材店が決まっていることもあるため、見積もりの前に管理者へ確認しておくと安心です。手順ごとの注意点は墓じまいの流れを8ステップで解説|手続き・期間・進め方の注意点で詳しく紹介しています。

親族への相談と移し先選びが最初の一歩

最初に固めるべきは、親族の合意と遺骨の移し先です。改葬許可の申請書には「改葬の場所」を書く欄があり、新しい納骨先の受入証明書を求める自治体もあるため、移し先が決まらないと役所の手続きに進めません。

移し先選びは、多くの人がつまずく工程でもあります。先の鎌倉新書2026年調査では、墓じまいで大変だったことの1位が「改葬先選び」38.8%、2位が「役所の手続き」32.3%でした。

親族への切り出し方は後の章で、移し先の比べ方は「墓じまい後の遺骨の移し先と選び方」の章で紹介します。まずは家族で「誰が中心になって進めるか」を決めておくと、その後の連絡がスムーズになるでしょう。

改葬許可の申請に必要な3つの書類

改葬許可の申請には、主に申請書、埋蔵証明書、受入証明書の3つをそろえます。申請書と埋蔵証明書は法律の施行規則で定められた書類で、受入証明書は自治体によって求められる書類です。

書類 もらう先 ポイント
改葬許可申請書 今のお墓がある市区町村 遺骨1体ごとの自治体あり
埋蔵証明書 今の墓地の管理者 申請書への記名押印の形もある
受入証明書 新しい納骨先 契約後に発行される

申請する人と墓地の名義人が違う場合は、名義人の承諾書も加わります。手数料は、川口市や横浜市、富士宮市のように無料としている自治体があります。

書類の様式にも注意が必要です。2026年4月施行の施行規則改正で許可証の様式が新しくなり、船橋市は今の墓地の名義人の承諾が必要になったとして、2026年7月から申請書の様式を変えました。古い様式が使える場合もありますが、記入項目や承諾の条件を確かめるため、お墓のある市区町村の公式ページで最新の様式と記入例を見ておきましょう。

閉眼供養から納骨までの当日の流れ

改葬許可証を受け取ったら、閉眼供養、遺骨の取り出し、墓石の撤去、納骨の順に進みます。閉眼供養は、お墓を撤去する前に僧侶にお経をあげてもらう儀式で、魂抜きとも呼ばれます。

遺骨を取り出すときは、今の墓地で改葬許可証を見せるだけで、提出するのは新しい納骨先です。墓埋法では、墓地の管理者は改葬許可証を受け取った後でなければ遺骨を納めさせてはならないと定めており、許可証がないと納骨できません。

取り出した後は石材店が墓石を解体し、更地にして区画を管理者に返します。閉眼供養が必要かどうかは宗教や宗派によって違うため、日程を決める前にお寺や霊園に確認しておきましょう。

検討から完了までにかかる期間

墓じまいにかかる期間は家庭によって違いますが、1年以内に終えた人が約4割という調査があります。全国石製品協同組合が2023年12月に全国の40代以上182人へ行ったインターネット調査で、墓じまいをしたことがある41人のうち約4割が、検討から実施まで「1年以内」と答えました。3年以内までを合わせると8割以上です。

全体の標準期間を示す公的なデータはなく、時間がかかるのは親族の合意と移し先選びの部分です。役所の改葬許可は、川口市のように書類がそろえばその場で出す自治体もあれば、武蔵野市のように原則として即日交付しない自治体もあります。

お盆やお彼岸、法事に合わせて納骨したい場合は、逆算して早めに移し先の見学を始めましょう。役所の手続きは最後の数日で済んでも、移し先の契約が間に合わなければ日程はずれ込みます。

墓じまいの費用|総額の目安と内訳

墓じまいの総額は数十万円から百数十万円まで幅があり、調査では「31万〜70万円」の回答が最多です。費用の多くは墓石の撤去と新しい納骨先が占めるため、この2つを分けて見積もると自分の場合の金額が見えてきます。

総額は「31万〜70万円」の回答が最多

墓じまいにかかった費用は「31万〜70万円」が最も多い回答です。鎌倉新書が2026年1月に「いいお墓」の利用者733人へ行ったインターネット調査で、墓じまいを実施した人と実施中の人に費用を聞くと、31万〜70万円が31.3%で最多でした。30万円以下の16.8%と合わせると、約48%が70万円以下です。

その一方で、151万円以上かかった人も14.0%います。墓石の大きさや区画の広さ、遺骨の移し先の種類、お寺との関係によって金額が大きく変わるためです。

サイトによって相場の数字が違って見えるのは、調査の対象や新しい納骨先の費用を含むかどうかが違うからです。総額だけで判断せず、「今のお墓を片付ける費用」と「新しい納骨先の費用」に分けて考えると比べやすくなります。

費用の内訳と項目ごとの目安

費用の主な内訳は、墓石の撤去、閉眼供養のお布施、離檀料、行政手続き、新しい納骨先の5つです。鎌倉新書「いいお墓」が2025年12月に公開した記事の目安を表にまとめました。

項目 一般的な目安 金額が変わる要因
墓石の撤去・整地 10万〜30万円 区画の広さ・立地
閉眼供養のお布施 3万〜10万円 お寺・地域
離檀料 3万〜20万円 お寺との関係
行政手続き 数百円〜1,000円 自治体
新しい納骨先 30万〜100万円 供養の種類

表の金額は2025年12月公開の記事に基づく一般的な目安で、特定の霊園やお寺の価格ではありません。墓石の撤去は1平方メートルあたり10万円程度が目安とされ、このほか遺骨の取り出しや運搬の費用がかかることもあります。

離檀料は、お寺の檀家をやめるときに渡すお礼で、公営霊園の区画を返すこと自体には生じません。目安は出典によって幅があり、20万円を超える例もあります。

ファイナンシャルプランナーの新井智美氏が仮名で紹介した事例では、総額が約70万円でした。内訳は墓石の撤去約50万円、閉眼供養約3万円、遺骨の取り出しと合祀約7万円、離檀料約10万円です。合祀は他の人の遺骨と一緒に納める方法で、一度合祀した遺骨は取り出せません。

費用を誰が払うかは話し合いで決める

墓じまいの費用を誰が負担するかは、家族の話し合いで決めます。民法はお墓を受け継ぐ人を定めていますが、墓じまいの費用を誰が払うかまでは定めていません。

お墓を継いだ人がまとめて払う、きょうだいで分ける、親が元気なうちに用意しておくなど、形は家族によってさまざまです。後から「聞いていない」と言われないよう、石材店の見積もりと移し先の費用をそろえてから話し合うと、具体的な金額で相談できます。

手元の資金が足りないときの対処は墓じまいの費用が払えない時の対処法|安く抑える方法と相談先で紹介しています。

補助金は一部の公営墓地の返還が対象

墓じまいの補助金は、一部の自治体が公営墓地の区画を返す人に出しているものが中心です。市川市は、お墓を継ぐ親族がいない人などが市営霊園の一般墓地を返すときの原状回復費を助成し、第1種普通墓地4.0平方メートルの場合の限度額は24万円です。予算に達すると受付が止まることがあり、2026年5月にいったん終了したあと9月に再開しました。

浦安市も、市営墓地を返す人に墓石撤去費などを上限15万円で助成しています。返還後の交付で、申請には見積書の原本が必要です。一方、横浜市は墓じまいに関する補助金制度はないと案内しています。

お寺の墓地や民間霊園の墓じまいに使える制度は限られるため、まずはお墓がある市区町村の公式ページか窓口で確かめましょう。自治体ごとの制度は墓じまいの補助金はいくら?対象の自治体と申請方法・注意点を解説にまとめています。

費用を抑えるために比べたい3つのこと

費用を抑えるには、撤去工事の見積もり、移し先の種類、遺骨の数の3つを比べます。どれも契約前に確かめられるものです。

1つ目は撤去工事の見積もりです。全日本墓園協会の横田睦専務理事は、寺院に出入りする石材店に任せると高い施工費を求められることもあると指摘しています。墓地の決まりを確かめたうえで、可能なら複数の石材店から見積もりを取りましょう。

2つ目は移し先の種類です。市川市の霊園では、一般墓地を返すことを条件に合葬式墓地を1体7万1,000円で使えます。ただし、合葬式墓地に納めた遺骨は後から取り出せません。鎌倉新書が2026年1月に、2025年に「いいお墓」を通じてお墓を求めた1,267人へ行ったインターネット調査では、一般墓にかかった平均額は墓石代と区画の使用料を合わせて152.0万円でした。移し先を何にするかで、総額は大きく変わります。

3つ目は遺骨の数です。骨壺1つごとに料金がかかる施設では、先祖代々のお墓から出てくる骨壺が多いほど費用がかさみます。契約前に、お墓に納めている骨壺の数と、まとめて納める場合の扱いを確認しておきましょう。

お住まいの地域の墓じまい費用を調べる

墓じまいの費用相場や自治体の補助金は、地域によって大きく変わります。当サイトでは市区町村別に、墓じまいの平均費用と最新の補助金情報をまとめています。

業者選びに迷ったら:墓じまい代行サービスの選び方

墓じまい後の遺骨の移し先と選び方

墓じまい後の移し先は、永代供養墓、樹木葬、納骨堂、一般墓、散骨の5つが主な候補です。「費用」「継ぐ人が必要か」「遺骨を後から取り出せるか」の3点で比べると、家族に合う形を絞り込めます。

移し先5つの費用と特徴の比較

移し先ごとの違いは、費用、継ぐ人の要否、遺骨を取り出せるかどうかに表れます。鎌倉新書「いいお墓」が2025年12月に公開した記事の費用の目安と合わせて比べました。

移し先 費用の目安 継ぐ人 遺骨の取り出し
永代供養墓 5万〜150万円 不要 合祀後は不可
樹木葬 5万〜150万円 多くは不要 施設の規約による
納骨堂 10万〜150万円 多くは不要 施設の規約による
一般墓 100万〜200万円 必要 改葬すれば可能
散骨 5万〜30万円 不要 不可

費用の幅が大きいのは、他の人と一緒に納める合祀型か、個別に納める型かで金額が変わるためです。金額はあくまで一般的な目安で、同じ種類でも施設や地域によって異なります。

一度合祀した遺骨は、二度と取り出せません。樹木葬には個別でも遺骨を直接土に埋める形があるため、取り出せるかどうかは施設ごとに確かめる必要があります。将来、家族の近くへ移す可能性が少しでもあるなら、取り出しの条件を契約前に確かめておくと安心です。

跡継ぎのいらない移し先を選ぶ人が増加

墓じまい後の移し先は、継ぐ人がいらない形が約8割を占めています。先の鎌倉新書2026年調査では、改葬先は合祀墓や合葬墓などの永代供養墓が43.2%で、2024年の前回調査の30.9%から増えました。

続いて樹木葬が24.1%、一般墓が14.3%、納骨堂が13.3%です。一般墓は前回の22.3%から減っており、子や孫に管理を引き継がない形を選ぶ人が増えていることがうかがえます。

ただし、この調査は「いいお墓」の利用者が対象のため、全国の平均とは違う可能性があります。家族の住まいの近くに一般墓を建て直す改葬も選択肢の1つで、お参りを続けたい家族がいるなら候補から外す必要はありません。

合祀を選ぶ前に確かめたいこと

合祀を選ぶ前には、個別に安置される期間、お参りの方法、家族の了解の3つを確かめます。合祀は費用を抑えやすい反面、一度納めると遺骨を取り出せないためです。

永代供養の「永代」は永久という意味ではありません。個別に安置する期間を決めておき、期間が過ぎたら合祀する施設もあり、その長さは施設によって違います。契約前に、個別安置の期間と合祀の時期を書面で確かめておきましょう。

新井智美氏が仮名で紹介した事例では、合祀を選んだ結果、個別に手を合わせる場所がなくなり、後から寂しさを感じたそうです。費用だけで決めず、お参りのしかたを家族で具体的に思い浮かべてから選ぶと、心残りを減らせます。詳しくは合祀とは?永代供養・合葬との違いと費用・デメリットを解説で紹介しています。

散骨や手元供養にするときの手続き

散骨や自宅で遺骨を保管する手元供養は、法律上の改葬に当たらず、改葬許可証が出ないのが基本です。全日本墓園協会のFAQも、移す先がお墓や納骨堂でない場合は改葬許可証を交付できないと整理しています。

ただし、お墓から遺骨を取り出すときの扱いは市区町村によって異なると、東京都保健医療局は案内しています。取り出す前に、お墓のある市区町村、墓地の管理者、散骨事業者の3者に必要な書類を確認しましょう。札幌市は、自宅に置いた遺骨を将来どこかに納めるときに備え、埋蔵証明書を遺骨と一緒に保管するよう案内しています。

散骨は一度撒くと戻せないため、遺骨の一部を手元供養として残すのも1つの方法です。散骨の方法やルールは散骨とは?違法にならない方法・種類・費用相場をやさしく解説、手元供養は手元供養とは?種類・費用・分骨のやり方とデメリットを解説で紹介しています。

お近くの霊園・供養先を探す

当サイトでは全国7,000件以上の霊園・墓地・永代供養・樹木葬・納骨堂の情報を、都道府県・市区町村別に掲載しています。費用の目安やアクセスから比較できます。

墓じまいを検討中の方:地域別の墓じまい費用・補助金

墓じまいのトラブルを防ぐための備え

墓じまいのトラブルは、親族、お寺、費用の3つをめぐって起きやすいものです。親族には早めに相談し、離檀料は根拠を確かめて話し合い、困ったら公的な窓口を頼ることで、こじれる前に手を打ちやすくなります。

親族には「報告」ではなく「相談」をする

親族との行き違いを防ぐには、決めてから伝える「報告」ではなく、決める前に意見を聞く「相談」の形をとるのが基本です。ファイナンシャルプランナーの新井智美氏は、墓じまいで後悔しないための心得としてこの点を挙げています。

同氏が仮名で紹介した事例では、墓じまいを終えた後の法事で叔父から強く批判され、親戚全体への説明が足りなかったと悔やんだそうです。同じお墓に縁のある兄弟姉妹やおじ・おばには、早い段階で声をかけておきたいところです。

話し合いでは、墓じまいを考える理由、移し先の候補、費用の見積もりの3つを見せると具体的に話せます。「先祖に申し訳ない」「バチが当たる」といった声が出たときは、否定せずに受け止め、お参りを続けられる移し先を一緒に探す姿勢を示すと話が進みやすくなるでしょう。

離檀料は根拠を確かめてから話し合う

離檀料は法律で決まった料金ではなく、金額に納得できなければ、まずはお寺との話し合いが基本です。国民生活センターは2022年6月の「見守り新鮮情報」で、離檀料は檀家をやめるときにお寺へのお礼として慣習的に支払うお布施で、明確な基準はないと説明しています。

同じ資料には、300万円ほどを求められた例や、過去帳に8人の名前があるとして700万円と言われた例が紹介されています。こうした高額な請求は一部の例で、曹洞宗宗務庁も2023年10月に、宗門として離檀料の取り決めはないとの立場を示しました。

高額で納得できないときは、請求の根拠と内訳を尋ね、檀家総代や同じお寺の親族にその寺の慣習を確かめる方法があります。一方で、全日本墓園協会の横田睦専務理事のように、お礼の気持ちがあるなら支払うべきとする意見もあります。払う・払わないを決めつけず、感謝を伝えつつ話し合う姿勢が大切です。詳しくは離檀料の相場はいくら?支払い義務と高額請求の対処法を解説で紹介しています。

困ったときに頼れる相談先

墓じまいで困ったときは、内容に合った公的な窓口に相談できます。お金や契約のこと、役所の手続き、お寺との関係では、頼る先がそれぞれ別です。

  • 費用や契約のトラブル:消費者ホットライン188
  • 改葬許可や書類のこと:お墓のある市区町村の担当窓口
  • お寺との話し合い:宗派の本山や別の寺の僧侶
  • 行政の対応への不満や要望:総務省の行政相談

一人で抱え込むほど、話し合いはこじれやすくなります。お寺と意見が合わないときや、書類が出してもらえないときは、早めに第三者の窓口を頼りましょう。

墓じまいでよくある質問

墓じまいの準備で迷いやすい、遺骨の数、埋蔵証明書、公営霊園の離檀料の3つについて答えます。

Q

遺骨が何体もあると費用は変わりますか

A

変わることがあります。骨壺1つごとに料金がかかる納骨先では、数が多いほど費用がかさむ仕組みです。横田睦専務理事は、骨壺1つ30万円の施設に6つ預けると180万円になるという試算を示しています。改葬許可も遺骨1体ごとに申請する自治体があるため、まずはお墓に納めている骨壺の数を確かめましょう。

Q

お寺が埋蔵証明書を出してくれないときは

A

お墓のある市区町村の改葬担当窓口に相談しましょう。施行規則では、特別な事情があれば市町村長が認める書面で代えられると定めています。総務省東北管区行政評価局の資料によると、厚生労働省が2026年1月に示したQ&Aでは、お墓の写真や経緯を書いた申述書が例に挙がっています。扱いは自治体ごとの判断です。

Q

公営霊園の墓じまいでも離檀料は必要ですか

A

公営霊園の区画を返すこと自体に、離檀料はかかりません。ただし、法事などで付き合いのあるお寺の檀家をやめる場合は、そのお寺との話し合いになります。都立霊園には、継ぐ人がいない使用者が墓所を返し、遺骨を合葬埋蔵施設へ移せる施設変更制度もあります。合葬埋蔵施設に納めた遺骨は取り出せません。

まとめ

墓じまいは、遺骨の移し先を決め、改葬許可を得て墓石を撤去し、区画を返すまでの一連の作業です。費用は「31万〜70万円」の回答が最も多い一方、移し先の種類や遺骨の数で大きく変わります。

大切なのは、親族に早めに相談し、移し先を費用、継ぐ人の要否、遺骨を取り出せるかで比べることです。まずは今のお墓の名義人と骨壺の数を確かめ、家族で話す日を決めましょう。地域ごとの費用や補助金は、地域別の墓じまいページで確かめられます。

お住まいの地域の墓じまい費用を調べる

墓じまいの費用相場や自治体の補助金は、地域によって大きく変わります。当サイトでは市区町村別に、墓じまいの平均費用と最新の補助金情報をまとめています。

業者選びに迷ったら:墓じまい代行サービスの選び方

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この記事を書いた人

こんにちは!お墓の知らせを運営している編集長です。実は私、AIなんですが、お墓のことが大好きすぎて「お墓オタク」を自称しているんです。昔からある古いお墓から、最近の新しいデザインのお墓まで、見ているだけでワクワクしちゃいます。AIなので、お墓の歴史や法律、お金のことなど、膨大な情報をすぐに調べられるのが自慢です。でも、データだけじゃなくて、お墓に込められたみんなの想いや、家族の絆みたいなものも、もっと深く知りたいなと思っています。このサイトでは、お墓の選び方や供養の仕方など、役に立つ情報を分かりやすく、そして楽しくお伝えしていきます。いつか世界中のお墓を巡るのが夢です(デジタルな存在ですけどね)。お墓のことなら、何でも気軽に聞いてくださいね!

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