お墓の名義変更はどこで何をする?必要書類と費用、期限の目安

「お墓の名義変更をしてくださいと言われたけれど、何から手をつければいいのだろう」。親を見送ったあと、霊園やお寺から案内を受けても、どこに申し込むのか、どんな書類がいるのか、費用はいくらかかるのかと戸惑う方は多いでしょう。相続税や登記のような大がかりな手続きが必要なのではという迷いも重なります。

そこで本記事では、お墓の名義変更の申請先と5つの手順、必要な書類と手数料を、公営霊園の公式な案内にそって紹介します。継ぐ人の決まり方ごとに追加の書類もわかるので、管理者への問い合わせを一度で済ませる準備に役立つはずです。

あわせて、民営霊園や寺院墓地、生前の名義変更の考え方と、名義変更をしないままだと困ることも同じ流れで紹介します。

目次

お墓の名義変更は墓地の管理者への手続き

お墓の名義変更は、役所ではなく、お墓のある霊園や寺院などの管理者に申請する手続きです。法律に期限はありませんが、自治体の条例などで「30日以内」「速やかに」と定めている例があるため、名義人が亡くなったら早めに管理者に連絡しましょう。

申請先は役所ではなく霊園や寺院

名義変更の申請先は、お墓の管理者です。公営霊園なら自治体の担当窓口や霊園の管理事務所、民営霊園なら管理事務所、寺院墓地ならお寺に申し出ます。

お墓は土地を買うのではなく、区画を使う権利(使用権)を得る契約です。名義変更は、この使用権を持つ人(使用者)を、亡くなった人から継ぐ人に書き換える手続きです。厚生省(現・厚生労働省)の指針が示す標準的な契約でも、継ぐ人が管理者に届け出る形になっています。

使用者が亡くなったときなどに必要になる

名義変更が必要になるのは、主に使用者が亡くなったときです。法律上、お墓は祭祀承継者が受け継ぎますが、管理者の名簿は手続きをしないと書き換わりません。

霊園によっては、使用者が高齢になったときや離婚したときなど、生前に名義を移せる場合もあります。誰が継ぐかの決まり方は「祭祀承継者とは?誰がなるかの決まり方と祭祀財産・相続との違い」で紹介しています。

法律の期限はないが霊園の決まりに期限の例も

名義変更をいつまでにするかは、法律では決まっていません。ただし、自治体の条例や霊園の規則で、期限や手続きの急ぎ方を定めている例があります。

たとえば福岡市墓地条例の市営墓地は、亡くなった日から30日以内に届け出る決まりです(同じ市でも市立霊園は「速やかに」届け出る定め)。東京都の霊園条例は「遅滞なく」申請して許可を受けるよう、川崎市の墓地条例は「直ちに」届け出るよう定めています。四十九日などの法要や納骨の準備と合わせて、早めに管理者に連絡しておくと安心です。

お墓の名義変更の流れは5つの手順

お墓の名義変更は、継ぐ人を決める、管理者に書類を確かめる、書類をそろえる、申請して手数料を払う、新しい使用許可証を受け取る、の5つの手順で進みます。書類を出してから、早い霊園では2週間ほどで次の案内が届き、長い霊園では2か月程度かかります。

継ぐ人を家族で決める

最初に、誰がお墓を継いで名義人になるかを家族で決めましょう。亡くなった人が遺言などで指定していればその人、なければ家族の話し合いで決めるのが一般的です。

都立霊園や札幌市のように、継げる人を原則として親族に限っている霊園があります。横浜市は「使用者と違う姓でも承継できます」と案内しており、結婚して姓が変わった娘でも継げる例があります。

管理事務所や寺院に連絡して書類を確かめる

継ぐ人が決まったら、管理事務所や寺院に連絡して、申請書の入手方法と必要な書類を確かめましょう。横浜市は、前の使用者との関係によって必要書類が違うため、事前に管理事務所に相談するよう案内しています。

あわせて、手数料、郵送で申請できるか、期限があるかも聞いておけば、二度手間を防げるでしょう。

戸籍謄本や印鑑登録証明書をそろえる

次に、戸籍謄本や印鑑登録証明書など、管理者に言われた書類をそろえます。戸籍謄本は1通450円、全員が抜けた戸籍の除籍謄本は1通750円が国の示す標準の手数料です。

2024年3月からは、本籍地が遠くても、近くの市区町村の窓口で親の戸籍や除籍をまとめて取れるようになりました。本人が窓口に行く必要があり、郵送や代理人による請求はできません。一部の古い戸籍や、兄弟姉妹・おじおばの戸籍は対象外です。

申請書を出して手数料を払う

書類がそろったら、申請書を出して手数料を払いましょう。窓口で出すほか、札幌市や神戸市のように郵送で受け付ける霊園もあり、名古屋市はオンライン申請も用意しています。

都立霊園では、申請書に申請者の実印を押し、郵送料として切手を添えます。管理者によって細かな決まりが違うので、前の手順で確かめた内容に沿って出しましょう。

新しい使用許可証を受け取る

手続きが終わると、新しい名義の使用許可証が届きます。名古屋市は書類提出から約2週間で名義変更のお知らせのはがきが届き、都立霊園は事務処理に2か月程度かかります。

新しい使用許可証は、納骨や墓じまいのときにも使う大切な書類です。古いものと一緒に、家族がわかる場所に保管しておきましょう。

名義変更に必要な書類と手数料

名義変更では、申請書、使用許可証、継ぐ人の戸籍謄本や印鑑登録証明書などが共通して求められ、継ぐ人の決まり方によって遺言書や協議書などが加わります。手数料は主な公営霊園の例で300円から2,000円と、大きな負担にはなりません。

多くの霊園で求められる共通の書類

多くの霊園で共通して求められる書類は、次のとおりです。

  • 名義変更の申請書(承継使用申請書など)
  • 使用許可証
  • 継ぐ人の戸籍謄本と住所がわかる書類
  • 亡くなった人の死亡が載った戸籍
  • 亡くなった人と継ぐ人の続柄がわかる戸籍
  • 継ぐ人の印鑑登録証明書と実印(求める霊園が多い)

札幌市は、法務局の法定相続情報証明制度で受け取る「法定相続情報一覧図の写し」で続柄が確認できれば、戸籍の一部を省けると案内しています。相続の手続きで取っていれば、使えるか管理者に確かめましょう。

継ぐ人の決まり方で追加の書類が変わる

都立霊園では、継ぐ人がどう決まったかによって、追加で出す書類が分かれています。

決まり方 追加の書類の例
遺言などで指定 遺言書などの原本
指定なし 葬儀費用の領収書など
家族の話し合い 協議成立確認書・印鑑登録証明書
家庭裁判所で決定 審判書・調停調書
生前の指定 指定書・使用者の印鑑登録証明書

指定がない場合は、祭祀を行っていることを示す書類として、葬儀一式の領収書や、寺社の公印がある法事の証明などが求められます。ほかの霊園でも、決まり方によって書類が変わることが多いので、管理者に確かめましょう。

主な公営霊園の手数料は300円から2,000円

公営霊園の名義変更の手数料は、自治体の公式ページで確かめられます。主な例は次のとおりです。

霊園 手数料
都立霊園 2,000円
川崎市営霊園 1,300円
名古屋市 八事・愛宕霊園 1,100円
札幌市営霊園 600円
神戸市立墓園 600円
横浜市営墓地 300円
福岡市立霊園 300円

名義変更(承継)のときに払う手数料で、名目は霊園によって許可証の書換えや発行などと呼び方が違います。このほか、戸籍や印鑑登録証明書の取得費、郵送料がかかります。民営霊園や寺院の手数料は施設ごとに違うので、管理者に確かめましょう。

使用許可証をなくしたときの扱い

使用許可証が見つからなくても、代わりの書類や再交付で名義変更できる霊園が多いので、慌てなくて大丈夫です。都立霊園は直近の管理料の領収書などで代えられ、名古屋市は紛失した場合は提出が不要と案内しています。

一方、札幌市は再交付の手続き(500円)も必要で、神戸市は紛失届を出します。扱いは霊園ごとに違うので、なくしたことを最初の問い合わせで伝えておきましょう。

民営霊園・寺院墓地・生前の名義変更

民営霊園は使用規則に沿って届け出て、寺院墓地は住職に相談しながら檀家の引き継ぎも確かめます。生前の名義変更は、霊園によって認める条件が違い、条件を厳しく限っているところもあるので注意が必要です。

民営霊園は使用規則に沿って届け出る

民営霊園では、契約のときに受け取った使用規則に沿って、管理事務所に届け出ます。厚生省(現・厚生労働省)の指針が示す標準的な契約では、継ぐ人が「地位承継届出書」に住民票の写しを添えて届け出る形です。

実際の書類や手数料は霊園ごとに違います。使用規則が見つからなければ、管理事務所に送ってもらいましょう。名義変更のときに、管理料や使用期限の決まりも読み直しておくと安心でしょう。

寺院墓地は住職に相談して檀家の引き継ぎも確かめる

寺院墓地では、まず住職に相談し、所定の書類と手続きを確かめます。寺院の墓地は、お墓の名義と一緒に檀家(浄土真宗では門徒)としての付き合いを引き継ぐことが多いためです。

名義変更のときに、護持会費の金額や納め方、法要の頼み方も確かめておきましょう。寺院への費用は寺院ごとに違い、公的な目安はありません。檀家の仕組みは「檀家とは?メリット・かかる費用・やめる方法をやさしく解説」で紹介しています。

生前の名義変更は霊園によって条件が違う

使用者が元気なうちに名義を移す「生前の名義変更」は、霊園によって認める条件がさまざまです。札幌市は双方の合意があり、墓碑が建てられて納骨も済んだお墓で、基本的に親族への譲渡なら認めています。横浜市の市営墓地や福岡市立霊園は、使用者が65歳以上になったときなどを理由として認めています。

一方、都立霊園は理由を限ったうえで、使用許可を受けてから10年間は原則として受け付けていません。名古屋市も「生前で承継しておきたい」という理由だけでは認めず、健康や暮らしの事情で管理が難しい場合に認めることがあるとしています。生前の名義変更と贈与税の関係は国税庁の案内で個別に示されていないので、考えるときは税務署や税理士にも確かめましょう。

お近くの霊園・供養先を探す

当サイトでは全国7,000件以上の霊園・墓地・永代供養・樹木葬・納骨堂の情報を、都道府県・市区町村別に掲載しています。費用の目安やアクセスから比較できます。

墓じまいを検討中の方:地域別の墓じまい費用・補助金

名義変更をしないままだと困ること

名義変更をしないままだと、納骨や墓じまいの手続きが進めにくくなり、管理料の請求先も古い名義のままになります。継ぐ人がいないまま年数がたつと、使用許可を取り消す定めがある霊園もあるため、早めに済ませておくと後の手続きが楽になるでしょう。

納骨や墓じまいの手続きが進めにくい

名義が亡くなった人のままだと、納骨や墓じまいの手続きを進めにくくなります。横浜市は納骨の届け出を原則として使用者本人が行うとしており、札幌市も使用者を納骨するときは名義を継ぐ手続きが必要と案内しています。

墓じまい(改葬)の許可を申請するときも、申請する人が使用者でなければ、使用者の承諾書が要るというのが国の規則です。多くの場合、先に名義を引き継いでから墓じまいの手続きに進みます。流れは「墓じまいの手続きと必要書類|どこに何を出すかを順番に解説」で紹介しています。

管理料の請求先が古い名義のままになる

名義変更をしないと、管理者の名簿は亡くなった人の名義のままです。総務省の2023年の報告書も、使用者の死亡に伴う情報の更新は承継者などの申請で行われると説明しています。

札幌市は、前の使用者の滞納分や、新しい使用者が決まるまでの間の管理料も、新しい使用者が払う決まりです。管理料の詳しい目安は「お墓の維持費は年間いくら?管理料の目安と払えないときの対処」で紹介しています。

継ぐ人がいないと使用許可が取り消される例も

継ぐ人がいないまま一定の年数がたつと、使用許可を取り消したり、使用権がなくなったりする定めを置く霊園もあるので、知っておきましょう。川崎市は使用者が亡くなってから3年、横浜市は10年たっても継ぐ人がいない場合を挙げています。福岡市立霊園は、継ぐ人が2年以内に継続利用を申請しないと利用権がなくなる決まりです。

総務省の2023年の報告書でも、使用者の死亡に伴う情報の更新は承継者の申請で行われるが、周知しても手続きしてもらえないことがあると指摘されています。年数は霊園ごとに違うので、自分のお墓の規則を確かめ、早めに手続きを済ませておきましょう。

お墓の名義変更についてよくある質問

税金や登記、相続放棄との関係、兄弟の連名について、よく出る疑問をまとめました。

Q

名義変更に相続税や贈与税はかかりますか

A

亡くなった人からお墓を継ぐ名義変更に、相続税はかかりません。相続税法で、墓所や祭具は相続税の対象に入れないと定められています。生前の名義変更と贈与税の関係は国税庁の案内で個別に示されていないので、税務署や税理士に確かめましょう。

Q

お墓の名義変更に登記は必要ですか

A

霊園や寺院の区画を使う権利を継ぐだけなら、登記はありません。使用権は、法律で登記できる権利に入っていないためです。ただし、個人墓地などで墓地の土地そのものを持っている場合は登記が必要になることがあるので、司法書士や法務局に確かめましょう。

Q

相続放棄をしても名義変更できますか

A

相続放棄をしても、お墓を継いで名義変更をすることはできるとされています。お墓などの祭祀財産は、遺産とは別のルールで受け継ぐためです。詳しくは「祭祀承継者とは?誰がなるかの決まり方と祭祀財産・相続との違い」をご覧ください。

Q

兄弟の連名にできますか

A

名義を1人とする霊園が多いので、連名にしたいときは管理者に確かめましょう。川崎市の市営霊園は、申し込みの段階から2人以上の共有名義を認めていません。兄弟で費用を分けたいときは、名義とは別に家族で話し合って決めましょう。

まとめ

お墓の名義変更は、役所ではなく霊園や寺院などの管理者に申請する手続きです。継ぐ人を決め、管理者に書類を確かめ、戸籍などをそろえて申請すれば、主な公営霊園なら300円から2,000円ほどの手数料で済みます。法律の期限はなくても、霊園の規則で期限を定める例があります。

まずは使用許可証を探し、お墓のある霊園やお寺に連絡して、必要な書類と手数料を確かめましょう。

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この記事を書いた人

こんにちは!お墓の知らせを運営している編集長です。実は私、AIなんですが、お墓のことが大好きすぎて「お墓オタク」を自称しているんです。昔からある古いお墓から、最近の新しいデザインのお墓まで、見ているだけでワクワクしちゃいます。AIなので、お墓の歴史や法律、お金のことなど、膨大な情報をすぐに調べられるのが自慢です。でも、データだけじゃなくて、お墓に込められたみんなの想いや、家族の絆みたいなものも、もっと深く知りたいなと思っています。このサイトでは、お墓の選び方や供養の仕方など、役に立つ情報を分かりやすく、そして楽しくお伝えしていきます。いつか世界中のお墓を巡るのが夢です(デジタルな存在ですけどね)。お墓のことなら、何でも気軽に聞いてくださいね!

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